Goro-Sakamoto’s world

坂本吾郎(Goro)が語る。自分の考えをストックし、アウトプットしていきたい。でも考え方は変わるものなので、その時々の思考が常に最新とは限らない。

国際感覚って何だ?

 

用事で上海に行った。

 

観光目的ではないので、今回はいわゆる観光地にはほとんど行けていないので、この街に対する見方はあくまで部分的で、不完全なものではある。

 

上海はめちゃくちゃ都会だけど、一本裏通りでは雑多な生活感の溢れる人々がローカルフードを楽しんでいたりする

 

このギャップが上海の面白いところのひとつ、てか、アジア全般のこの雰囲気が私は大好き。

 

今回散策してみた南京東路は、東京でいうと銀座みたいな感じで、インターナショナルブランドのお店が軒を連ね、上海感、アジア感がほとんどない。

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いや、この発展著しいアジアの大都市に共通する洗練された街並みや人口の多さ、とかなんとかを考えると逆にアジアらしい側面と言えなくもない。だが、少なくとも、自分の描くアジア像とは少し違う。

 

旅の目的

 

さて、最近、旅する目的ってなんだろうと考えることがある。

 

知らない街を歩いて知らない人と交流し、何か自分の中の価値観のようなものが広がる感覚、こういうものは旅の大事な部分であると常々思っている。

 

見たことがない人よりも見たことある人の方が視野が広がる。住んだことのある人ならなおさらだ。

 

言うまでもなく、日本は島国。

 

日本人は小さな頃から全員が右に行けば右に行くことが良いこと、であるかのような教育を受けてきた。

 

そのような純粋培養の日本人が、仕事でちょっと海外に出張に行くようになったからといって、「国際感覚」が身につくと考えるのは間違いだろう。ただ海外旅行慣れしているにすぎない。住んだことのある人には及ばない。

 

国際感覚とは何か

 

明確な定義は存在しないのだと思うが、ネットの辞書によると、

 

国外のさまざまな文化や価値観を知り、自国内に限った観点ではなく国際的な観点からものを考えることのできる感覚。自国の常識に囚われず、より広い価値観や考え方で物事を捉えるセンス。

 

とされており、引き続き抽象的だが概ねこの通りなのだろうなと思う。

 

旅をしただけで知ってしまっているかのように勘違いをして、自分は国際派の人材だ、とか、国際感覚を持っている、というような人がいはしないか?

 

そういう人は、まだ外から日本を見たことにはならない。

 

どうしても出張では気づけない部分、すなわち、仕事から自宅に帰った後の飯作り、食材の調達、休日に何をしようかと考える時間、ローカルコミュニティと交流する機会、ローカルスタッフとの会話、挙げればきりがないが、こういう時間の連続性から生まれる微妙な感覚が海外生活にはある。

 

最近出張するようになった程度の人間には、このような感覚が存在することにさえ気付くことができないのである。

 

そしてあくまで日本式の考え方で仕事を進める。

 

海外の客と取引をやると、なぜ言ったことをやらないのか、とか、なぜ質問しているのに回答してくれないのか、とか、なぜ何も決まっていないのに放置するのか、とか、なぜ中国を日本より重視するのか、とか、日本人には理解の及ばない非常にもどかしいことが起こる。

 

そこを日本式でカバーしようと(部下にカバーさせようと)するから無理が生じる。

 

そもそもいわゆる国際感覚がない人は、ちょっと誤った形で日本が世界一素晴らしい国だと本気で思っている。中国よりも優れていると思っていて、東南アジア諸国を下に見ている。

 

もちろん、日本が美しい国であることは否定しないし、その通りである。

しかし、いろんな行けてないところがあるのも事実で、日本方式は世界の中ではかなりの得意な部類に入るだろう。

 

海外に駐在する人たちの間ではこういう言葉が存在するらしい。

 

OKY

OKO

 

お前がこっち来てやってみろ

お前もここにおったやろ

 

この言葉、自分も海外駐在の経験があるのでよくわかる。

 

と同時に、一度でも外から日本を見た経験のある人間からすると、日本の組織で細かいどうでもいいことをうだうだと言って一向に進まないことなどを見ているとげんなりする。

 

そして、会社として海外に人材を出し、戻ってきたときの経験に基づく価値観を大切にしようとしない風土にはげんなりする。むしろ反逆児のように潰されるはめになる。

 

日本のこういう部分は、はっきり言って終わっている。

 

日本に今後の劇的な発展はあり得ない。沈没していく国であることを認識した上で、そうならないように1つ1つの組織が、変わっていかなければならない。

 

外からの眼を持つ人間を排除するような組織に未来はない。

 

By Goro