Goro-Sakamoto’s world

坂本吾郎(Goro)が語る。自分の考えをストックし、アウトプットしていきたい。でも考え方は変わるものなので、その時々の思考が常に最新とは限らない。

第2回米朝首脳会談を機に考える

これは約4年前、安保法制を巡って国が割れていた時の回想記事である。

 

私「先輩、抑止力とは何ですか?核を一発うてばもう終わりでしょう。ならば核兵器5発持つのも1000発持つのも同じでは?たくさん持つことに何の意味があるというのでしょうか。」


先輩「抑止力とは、一発でも撃ってみろ、報復として敵の戦力を徹底的に壊滅する武力を我々は持っているぞ。そしてそれらかがどこにあるかはわからないだろうから、我々の戦力を無能力化することはできない。だからそちらからは先に撃つことはできないんだぞ、という状況を作ることです。だから、核兵器をたくさん、そしてどこにあるかわからないようにして持つことには一定の合理性がある。国際政治は理想だけでは回らないのです。」


私「しかし先輩、私は、みんな持たなければいいのにと思うのです。世の中に、戦争を望み、まさか核兵器を本当に使おうという人がいるとは思えません。あるいは、指導者が狂っていて、もう死んでもいいって思ったら、ボタン一つ押すくらいどーってことないというものなのでしょうか?実際に核兵器を使えば世の中終わりだということは皆知っている。それなのに、軍縮だ、抑止力だ、と真剣に世界が議論している。なんだかそれって滑稽ではないですかね。シンプルに、わかっているならやめようよと。いくら国際政治が経済、安全保障と複雑な思惑が絡まり合っているとしても、至ってシンプルに考えるべきではないですか?これは弱者は侵略されるというリアリティを無視した議論でしょうか?」


先輩「そうですね。」


私「しかし先輩、我々国民の関心は、今日明日のご飯、家族と未来の子供たちの幸せです。政治の役割は、そのために何をすべきかということなんですよ。その考え方に立てば、隣国との関係悪化を煽ったり、マスコミが国民を扇動したりというのがどうも理解できない。例えば集団的自衛権とか、どの国にも認められているものを、戦争したがっているだとか徴兵制になるだとか不安を煽ってミスリードする。そして海外メディアは軍国主義の亡霊が復活しただとか言うんです。私からしたら意味不明です。リテラシーのない人はこういう情報で本当に日本に対してネガティブな印象を持ってしまうんですよ。官邸前のデモに参加してた人がテレビでこんなことを言っていたんです。『詳しくはよくわかんないんですけど、戦争に向かっていくのは嫌だなって思って、子どもたちを守るために参加しました。』って。こういう人たちが世論だとか民主主義とか、そういうのはおかしいでしょう、という話なんです。もちろん、間違いなくその発言者の考えは正しいと思いますよ。子供の幸せを願う気持ちを誰も否定できるはずがない。でもずれていると感じるんです。まず、詳しく分かるまで勉強してこいと、その上で、感情だけで右や左と一斉に動くあなたたちの方が極めて危ない考え方なのではないか、という感じがするんです。」

 

先輩「集団的自衛権がそれほど嫌なら、永世中立国になればいいという話です。我が国の領空を通過するなら、無条件に自国の武力でもって撃ち落とすと宣言するということに等しく、常に武装しておく必要があります。安保法制どころではなく、物凄く強烈なメッセージを持っているんですよ。ただし、自衛以外は戦争ができないのは日本と同じです。つまり、自国だけで国民の生命、財産を守るということは、それくらいの覚悟がいるということです。当然莫大な予算も必要になるでしょう。しかし、それを日本国民は望むのでしょうか?自国だけで抑止力を維持するには核武装という選択肢を検討するということも許容できるのですか?官邸前のデモの参加者が本当に純粋な日本人かどうかは知りませんが、しかしそもそも、日本だけが平和主義をうたっているわけではなく、どこの国も侵略を正当化するような憲法などもっているはずがない。コーランだって、イスラム原理主義者の過激な行いを正当化するような経典ではないのです。」

(回想ここまで)

 

 

あれから四年近くが経ち、当時は予想すらできなかった米朝首脳が会談をしている。

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ハノイで具体的な進展があるのか、日本への影響はどうなるのか、国際政治の動向はなかなか我々国民の身近な問題として感じにくいが、やはり国だけでなく、国民みんなが理解を深めて未来に向けて考えていくべき問題だ、と思うのであります。

 

By Goro